HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
以前結ちゃんに言われた。
『彼女じゃない女に、そんな簡単に可愛いとかいっちゃダメだよ。女は勘違いするよ?』
僕はわざとから咳をして、話題を変えることに努めた。
話はまた戻り、結ちゃんの大学生活なんかの話を聞きだすことにした。結ちゃんは以前言っていたように、大学内で友達は多いみたいだ。キャンパスライフを楽しんでいるようでちょっと安心した。
「ゼミの先生がね~、あ、あたしのゼミ人数10人ぐらいなんだけど、みんな結構不真面目だからあんま出席しなくて、それがたまたま10人出席したとき、先生感激しちゃって、その日朝イチのゼミだったんだけど、講義そっちのけでみんなで近くにある喫茶店でモーニング奢ってもらっちゃった」
「よっぽど嬉しかったんだね」
「んー、あたしはその先生結構好きだったから結構真面目に出席してて…あ!その先生60近くのおじいちゃんだから!」と慌てて付け加える。
「いい先生だね」僕がちょっと笑うと
「先生も―――いい先生だよ。
エミナのこと一生懸命に向き合おうとしてくれて……」
結ちゃんはちょっと伏せ目がちにして淡い笑みを浮かべ、しかしすぐに表情を引き締めると
「何度も言ったけどさ、先生はエミナのこと構い過ぎだよ。いいことだけど、生徒と向き合おうとしている一生懸命なとことか、結構好きだけど、でもあの子のことは本当に気を付けた方がいいよ」
結ちゃんは真剣に言った。結ちゃんから何度も聞かされたその言葉。
その言葉は単に彼氏を取られたから、と言う理由以外何かありそうなのは気のせいなのだろうか。
また……まただ。森本には一体何の秘密があると言うのだろう。