HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~


そんなことを話していると料理が運ばれてきた。


結ちゃんが頼んだオムライスはふわふわの卵が乗って美味しそうな香りが鼻孔をくすぐる。


そのオムライスの一口を口に入れ


「結構おいしい」と結ちゃんは口元をほころばせた。


「うん、こっちも美味しいよ」と言うと結ちゃんは僕の皿から唐揚げを一つ手でつまんで持っていった。


「うん、おいしい」と言って指についた油を舐めとる。こうやって改めて見ると、歳相応な仕草や表情が結構可愛い。僕に妹はいないけど、いたらきっとこんな感じなんだろう。


つまり妹としては可愛いが、女としての恋の対象にはならない。


「こら、お行儀悪いよ」とちょっと笑うと


「だって先生しか見てないよ」と結ちゃんも笑う。結ちゃんはおしぼりで丁寧に手を拭くとふいと顏を逸らし




「あたしも……先生しか、


見えてない」




小さく呟かれた言葉に、唐揚げを口に入れていた僕は危うく喉に詰まらせるところだった。


小さく咳き込んで慌てて水で流し込む。


結ちゃんの白い頬はほんのり赤身がさしていた。


ちゃんと…ちゃんと向き合わなきゃ。後回しにしていた問題に。小さく決意してきゅっとテーブルの上で拳を握る。


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