森の中の
森の中







ー…い、


お…ろ。


「おい、起きろって。お前どんだけ寝りゃ気がすむんだよ。」


はっ‼ と気が付くと、もう車はキャンプ場に着いたようで、
目の前には半ば呆れ気味の、ヨウ兄の顔(21歳バージョン)。


「ご、ごめん…」

と、言わない内に、ヨウ兄はさっさと車を降りて行った。

よく見たら、ミユキさんはもう外で準備始めてるし。
どんだけ寝てんの?あたし。
自分でもつっこみたくなるよ。





キャンプ場は、少し小さいけれど、傍を流れる川と、向こうに見える山が、すごく綺麗。


家族連れが3組と、あたしたちみたいな大学生らしきグループが、1組。
そんなにうるさく無いし、いい感じ。











「はい、アヤちゃん、焼けたよ‼
食べて食べて~」


ジュ~ッと肉の焼ける音と、いい匂い。


ミユキさんがお皿に焼けたお肉を乗せてくれる。

ミユキさん、料理もできちゃうんだ。
すごく手際良いなあ。
ああ、お肉もすごく美味しいよ。
あたしならきっと、焦がしちゃうか、生焼けか、どっちかだろうな。


「あっ、ヨウ兄、アレ、持ってきた!?」


「あたりまえだろ。」

ニヤリと笑って、クーラーボックスから緑のチューブを取り出す。




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