可愛くない同居人。
「こんなこと言われても迷惑だよね。ごめん、忘れて忘れて!」
私は慌てて立ち上がり、逃げるようにリビングを出ようとした。
が、力強く後ろからギュッと抱きしめられ、動けなくなった。
石鹸のような心地よい匂いが鼻をかすめ、暖かい体温と、少し早い鼓動が背中から伝わってくる。
「すみません。僕は嘘をつき、あなたを傷つけました」
凜の、冷たいけど甘い声が、耳元で発せられる。
「本当は、あなたのことが、好きです」
好き・・・?
私、を?
「僕にとってあなたは、大切な存在です」
凜の表情が見れず、本音かどうか分からない。
けど、さっきよりもさらに力を込めて抱きしめてくれる凜を、私は疑うことなどできない。
素直に、嬉しい。
ものすごく、嬉しい。