天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
しかし。
そう簡単に成就させては物語的に面白くないのである。
「村中君…?」
鈴のような声、だがドスの効いた声色。
「へ?」
八鶴が声のした方を見ると。
「営業トークに精が出ますねぇ…」
出た、白髪の生徒会長降臨。
「転校生に親切にするのはとてもいい事だと思います、ええ、右も左も分からない転校生が班で孤立する事のないように気を回してくれる村中君は、とても素晴らしい細やかな神経の持ち主だと、私は評価していますよ?」
コロコロ笑いつつ。
「でもね」
盲目灰眼の瞳で、月は八鶴を見つめる。
「ここは出会い茶屋じゃないんですよ…?」
そう簡単に成就させては物語的に面白くないのである。
「村中君…?」
鈴のような声、だがドスの効いた声色。
「へ?」
八鶴が声のした方を見ると。
「営業トークに精が出ますねぇ…」
出た、白髪の生徒会長降臨。
「転校生に親切にするのはとてもいい事だと思います、ええ、右も左も分からない転校生が班で孤立する事のないように気を回してくれる村中君は、とても素晴らしい細やかな神経の持ち主だと、私は評価していますよ?」
コロコロ笑いつつ。
「でもね」
盲目灰眼の瞳で、月は八鶴を見つめる。
「ここは出会い茶屋じゃないんですよ…?」