天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
イリア争奪戦の筈が、争奪しようとした三人の刺客が逆にイリアに返り討ちに遭うという惨状。

そしてこの騒ぎを。

「あなた達…随分楽しそうですねぇ…?」

天神学園の白髪ジェノサイダーが見逃す筈はなかった。

「修学旅行に来てまで、他所の土地でいつもと同じノリで乱痴気騒ぎとは…本当にお祭り騒ぎがお好きなのですね…いいでしょう…私も鬼ではありません…修学旅行ですから、羽目を外したくなる気持ちもわかります、ええ…」

そう言って。

月は傍らに置いてあった七味入りのカフェオレを三人分手に取る。

「乱痴気騒ぎですから、飲めや歌えやは基本でしょう…さぁ、飲んで下さいな、さぁ、さぁ…!」

「「「いやぁああぁあぁあっ!」」」

容赦なく七味入りカフェオレを喉に流し込むという制裁に震え上がるカフェの人々。

ムカッチャパピリアではこの日以来、『ジャパニーズホワイトヘアデビル』の伝説が語られる事となる。

そしてそんな月を。

「やはり月様が一番素敵でございます…」

イリアはウットリとした表情で見ていた。

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