揺れない瞳
ウェディングドレスを川原さんに貸す事を決めて、ホッとしながらカフェに戻ると、川原さんの席の隣に誰かがいた。
誰だろうと思いながら近づいてみると、綺麗な女性が川原さんと何か話している。
誰だろ……?年上かな、淡い黄色のスーツが良く似合っている。
緩めに巻かれた髪は、窓からの光にきらきらと茶色に輝いていて羨ましいくらいだ。
「あの……」
小さく声をかけると、はっと顔を向ける女性と、相変わらず表情の読めない川原さん。でもその表情が、さっきよりも優しそうに見えるのは気のせいかな。
「ウェディングドレスは……お貸ししますので、持って帰って試着して下さい」
なんだかよどんだ空気の中にいる二人の会話の中に入れない雰囲気があって、私は席につくことなくそう言った。
「じゃ、ここに入ってますので……」
そう言って椅子の上の鞄を手にした。
手渡そうとすると、川原さんの隣の女性が驚いたように
「もしかして、ウェディングドレス?……あの?」
と呟いた。
「そうだよ。お前が着たいって言い張ってるあのドレス」
「ほんとに……お願いしたんだ」
目を見開いて言葉を失った彼女はきっと、川原さんと、多分結婚する恋人。
会話から察すると、恋人に違いないのに。
目の前の二人はどことなくかみ合ってなくて、ぎこちなささえ漂ってる。
今日初めて会った川原さんが、普段どういう人なのかよくわからないけれど、今彼女と並んでる様子からは、結婚前の甘い空気感は感じられない。
綺麗な顔の中に、どこか悔しそうな表情を隠さない彼女は、川原さんに向き直って
「ばかじゃないの?何で私の言うがままにしちゃうのよ」
歪んだ顔で、苦しそうに、吐き出した。
唇をかみしめて、川原さんの腕に置かれた手は微かに震えていて、目に涙さえ浮かんでいる。
「あの……」
何がどうなってるのか何もわからないまま、私は呆然と立っていた。
誰だろうと思いながら近づいてみると、綺麗な女性が川原さんと何か話している。
誰だろ……?年上かな、淡い黄色のスーツが良く似合っている。
緩めに巻かれた髪は、窓からの光にきらきらと茶色に輝いていて羨ましいくらいだ。
「あの……」
小さく声をかけると、はっと顔を向ける女性と、相変わらず表情の読めない川原さん。でもその表情が、さっきよりも優しそうに見えるのは気のせいかな。
「ウェディングドレスは……お貸ししますので、持って帰って試着して下さい」
なんだかよどんだ空気の中にいる二人の会話の中に入れない雰囲気があって、私は席につくことなくそう言った。
「じゃ、ここに入ってますので……」
そう言って椅子の上の鞄を手にした。
手渡そうとすると、川原さんの隣の女性が驚いたように
「もしかして、ウェディングドレス?……あの?」
と呟いた。
「そうだよ。お前が着たいって言い張ってるあのドレス」
「ほんとに……お願いしたんだ」
目を見開いて言葉を失った彼女はきっと、川原さんと、多分結婚する恋人。
会話から察すると、恋人に違いないのに。
目の前の二人はどことなくかみ合ってなくて、ぎこちなささえ漂ってる。
今日初めて会った川原さんが、普段どういう人なのかよくわからないけれど、今彼女と並んでる様子からは、結婚前の甘い空気感は感じられない。
綺麗な顔の中に、どこか悔しそうな表情を隠さない彼女は、川原さんに向き直って
「ばかじゃないの?何で私の言うがままにしちゃうのよ」
歪んだ顔で、苦しそうに、吐き出した。
唇をかみしめて、川原さんの腕に置かれた手は微かに震えていて、目に涙さえ浮かんでいる。
「あの……」
何がどうなってるのか何もわからないまま、私は呆然と立っていた。