鬼
第1話 賞金稼ぎ姉弟**
旅の理由
夢を見ていた…。
ずっと昔の夢…。
ガイリーグを滅ぼしたあの日…。オレはまだ9歳だった。
あの時の事は忘れようにも忘れる事が出来ない。
だからたまにこうやって夢に出て来る…。
あ〜…嫌な夢見たな…。
この夢を見た日の寝覚めはいつも最悪。
オレは座ったまま壁に寄り掛かるように寝ていたせいか肩とか足とかアチコチが痛い。
それらをほぐすように首をグルグル回したり、屈伸をしたりした。
少しは痛さも軽減されたが、まだ肩には変な鈍い痛みがこびりついていた。
「サキーッ」
するとどこかでオレの名を呼ぶ声が聞こえた。
あ、シュウの奴かな。
オレはもう一度背伸びをし、声がした方に向かった。