シェリの旅路
「で、キミはどうしたの?」


キミを手のひらにのせて言う。

「ジオには言いすぎたと

思うけど、キミにはまったく

何もしてないのよ。

だから困ってるの」


「ねぇ、キミ。どうしたの?」

キミの反応はやはりない。


フランはキミを

ジオの胸ポケットに入れた。


「そっとしときましょう」


フランはきびすを返し、

その場を後にした。


ヴァネッサとハーヴァルドも

つられてフランの後を追う。


「置いてきて

良かったんでしょうか?」


ハーヴァルドは二人を心配し

振り返りながら言う。


「キミのことなんだけど

時々様子がおかしくなるの」


フランは言う。


「あぁ。時々声が

変わるわよね。

そういえばさっきも……」


ヴァネッサは言う。


「ヴァネッサも知ってたのね」

フランは話が早いと思った。


「えぇ。あたしが聞いたのは

『側にいて』と『ヤドリギ』

『ヤドリギ交換。

好きだったのに。

今も好きなの?わからないよ』

だったわね」


ヴァネッサは言う。


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