シェリの旅路
フランは夢を見ていた。


夢の中でハーヴァルドとの事で

悩んでいる。


信じているが不安な気持ち。


ハーヴァルドの側にいたいが

世界が元に戻り、混乱に陥れば

世界を鎮める立場の

王子にとって自分の存在は

邪魔になってしまう。


素直に側にいたいとは

言えない。


どうすれば自分達にとって

一番なのかわからない。


家族のいない自分には

行くあてはどこにもない。


元婚約者の家から

飛び出した時は一人でも

平気だと思っていたが

一人になったらと思うと

怖くて仕方がなかった。


孤独感に押し潰されそうになる

フランをふわりと暖かい

毛のようなものが包んだ。


フランは振り返る。


大きな鳥のような生き物が

自分に寄り添っている。


すぐにそれが自分の聖獣だと

気付いた。


巨大な聖獣とどう信頼を

築こうかずっと不安で

恐れていたのに不思議と怖く

なかった。


「……あなたが」


フランは聖獣を抱きしめた。
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