シェリの旅路
「え？」


ジオは突然問われて

対応が遅れる。


「妖精のキスは恋が叶う

おまじないなの。大好き！」


言って、ミルからジオに

キスをした。


ジオは硬直する。


「妖精のキスのおまじない

効いたでしょ？」


ミルはいたずらに笑って言う。

「……キミ？」


ジオは呆然として問う。


ジオの問いにミルは笑いながら

何度も大きく頷く。


「気付くの遅いですよ！

お幸せに」


ハーヴァルドが拍手しながら

言う。


「鈍感ね。でもそこもジオの

いいところよ！お幸せに」


フランは言う。


「あたしなんて声で気付いたわ。

二人とも幸せになるのよ！」


ヴァネッサは言う。


「ぼく、顔見ただけで

気付いたよ。ジオ、ミル

お幸せに」


シェリも笑って言う。


仲間たちの言葉を聞いて


「お前ら知ってたのかよ！」


ジオは叫んだ。


「ジオったら

気付かないんだから。

……でも、わたしの愛の大きさ

わかったでしょ？」


ミルは微笑む。


「うん。一生幸せにする」


言ってジオはミルにキスした。

最も愛のこもったキスだった。
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