他がために悪はある
国のため、家族のため、食べるため。皆、様々な願いがあり戦いに参加していることだろう。
彼女の願いは、純朴ながらも大きく、動力源とも等しかった。
敵陣の真ん中に踏み込み、がむしゃらながら、効果的な攻撃を繰り返す。
切っては捨て、殴っては切り、死体を踏み越える。足裏にする肉の感触は形容しがたくも、感傷に浸る間もない。
そこにあるのは死体であり、死体となったのは敵でしかない。
そうやって割り切り、殺戮を肯定した。