二重人格


『これっ、欲しい!』


ぴょんぴょんと飛び跳ねる私に彼はクスクスと笑いながらくる。


「男ものだからでっかいぞ」


『パーカーだから大丈夫っ』


グレーのパーカーにターコイズブルーの模様はとても可愛かった。


「着てみるか?」


少しダボダボの袖に腕を通しニッコリと彼を見る。
鏡で自分を確かめると、一層にこのパーカーが気にいった。


「仕方ねーな。
買ってあげる

ただしっ、俺と兼用な」

『えっ?!
いいの?!

やったー♪♪
ありがとー。』


そう言って抱きつく私は前には考えられない行動をとっていた。


大嫌いだった気持ちが今は少しもないのだから。
私は彼を知らなかっただけ…。


本当は優しい彼が私は楽しくて、、、幸せだった。



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