【続編】長男のカゴ
雷とやってきた学校で、まず俺を出迎えたのは知らない男。



「お待ちしておりました、善様」

「はぁ…?」

「私、藤間社長から善様の専属秘書を仰せつかりました近野と申します」

「せ、専属秘書…?」



雷は全く顔色を変えず、俺の荷物を運ぶように指示を出していた。



どうやらS科にはひとりに対しひとりの秘書がいるらしい。



「職員室行くぞ」

「雷、秘書なら女がよかったんだけど。むしろ秘書って言ったら女じゃね?メガネとかかけててさぁ~、女を武器に仕事してませんからってくらい強気の」

「お前の頭の中は女しかいねぇのか。ホント、女好きだな…」

「だって超柔らかいじゃん?いい匂いするし!!」



ため息をついた雷と一緒に歩き、校舎の中に入ったら学校とは思えなくて。



どっかの城じゃねぇのかよ…。



俺と違う紺ブレザーのヤツがいて、ペコペコ頭を下げられた。



「ブレザー白じゃねぇの!?なんか俺だけ白で恥ずかしいんだけど!!」

「S科だけ白だ」



へぇ~、一目瞭然か。



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