キミ色
…でも、俺がその真実を知るのはもっともっと先のこと……──



俺の家を目指して歩いている間に、空羽にいろいろな事を聞いた。
端からみると、もしかするとカップルに間違われていたかもしれないけど…。



でも、俺的には兄妹みたいな感じになってると思うんだけど…。
バカでかい俺の身長に、こんな小学生みたいなチビ…。



制服着てなかったら、絶対兄妹でしょ?



どうやら空羽はこの身長のせいで、住んでいた所の中学、高校でいじめられていたらしい。
そんな空羽を不憫に想った両親が、遠くにいる俺の所に行くように指示したのだ。




確かに、俺は空羽の住んでいた場所からだいぶ遠くに住んでいる。




俺も空羽と同じ三重県に住んでいたが、時雨のしつこいぐらいの説得と少しの興味を胸に東京都で高校受験し、今は1人ぐらしをしている。



最初は環境の違いに戸惑ったが、1年も居れば関西弁もぬけ徐々に標準語になっていった。



まぁ、空羽は元々標準語っぽいからいいんだけど…。



1人では危ないと言う空羽の両親の意見で、俺の家に入れる事が決まったらしい。



だったら普通、電話とかするだろ…。
電話の1本もなく、送ってきてしかも居候?
いやいや、普通あり得ないって。



「ごめんね…櫂。」



……ドクンッ…



そう言った空羽の言葉に反論出来なかった。
何故か、空羽の言葉は胸がざわめく…



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