キミ色
この部屋は俺の部屋であり、あいつの部屋でもあるからだ。
でも、そう言うと誤解する女が1人…。


「えっ!もしかして、櫂って彼女とか…いるの?」


明らかに驚いた表情を並べる空羽。
そんな空羽の表情を俺は見逃さなかった。


もしかして、とはどうゆう事だ…?
いたらおかしいって事か?


少しだけ頭にきたが、とりあえず抑えて苦笑いを作り会話を続ける。



「そんなんじゃねぇよ。時雨が勝手に入ってきて勝手に片付けて帰っていくから勝手に綺麗になんの。」


「…時雨?」


「あぁ…そっか。時雨は俺の幼なじみ。男だよ男。」


「へぇー」



空羽は納得したのか、ようやく一口紅茶を口の中に含んだ。


俺は開けてあったカーテンを閉め、飲み干したグラスをまな板の上に置いた。


その後、空羽の寝る場所や荷物の整理、家でのルールなどを空羽と決めた。


話し合いの結果、仕方がなく俺が使っていた唯一の小部屋を空羽の部屋という事にし、俺はリビングのソファで寝る事になった。


他にも、何があってもご飯だけは一緒に食べること、お風呂の順番は空羽が先、など言い出すとキリがないくらいのルールが出来た。



< 13 / 323 >

この作品をシェア

pagetop