キミ色
めんどくせぇ…。


率直に頭に浮かぶ言葉。


何をするにしても、理由を言わなきゃいけねぇし…
憩いの場であるはずの部屋が一気に崩れていく。


「何で、俺なんだよ―…」


そう行き場の無い愚痴を零し、砂時計に手を伸ばす。


ひっくり返すと流れ出す砂。
まるで、俺たちの想いのように…。


―……会いたいよ…


なぁ、会って慰めてくれよ…?

頑張れって励ましてくれよ…?



大丈夫って支えてくれよ―…



俺は唇をぎゅっと噛みしめ、元あった場所に大切に置いた。


想い出さないって決めたから。
もう、後ろを向かないって決めたから―…。



空羽が見えなくなったのを確認し、外に一歩踏み出した。
鍵をかけ、上を見上げると広がる綺麗な空。


ふわふわの雲に身を隠しているのか、太陽はまだ登場していない。



でも、今日も快晴だろう。
だって、空がいつになく澄んでるから。


じゃあ、キミもきっと笑顔なんだよね?


俺は、お前との約束を守り続けてるよ…。



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