キミ色
時雨の指の先を辿っていくと、そこにはあいつがいた。
栗色の重たそうな髪の毛を2つに結っている女の子。


後ろ姿だったけど、見た瞬間に分かってしまった。


新入生とは…、空羽。


俺の人生のほとんどに空羽は参加してくるみたいだ。
ここまで一緒に生活する事になるとは、一昨日まで誰が予想出来ただろう?


未来とは怖いものだ…。
今まで通り過ぎていくと思っていた時間が、一瞬で変わっていく。


でも、もし俺が未来を予想する事が出来る人だったとしても、結局結果は変わらなかったような気がするんだ。



何本も行くことの出来る道が会っても、俺は絶対一番安全な道を進むだろう。


それだけ、俺は意志が弱いから。
俺は最強に臆病だから。


きっと、未来を変える事は出来なかった。


結局、俺と空羽はこうなる結末だったんだ。



そう想うと、何故か笑えてきた。
だって、人はこうゆうのを“運命”というのだろう?



ということは、俺の運命の人は空羽?


くだらねぇ。
やっぱり運命の人なんて存在しないんだ。



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