キミ色
俺は美波さんに全てのことを話した。



空羽が家にいること。

蓮とヨリを戻したこと。

時雨と険悪になってしまったこと。

そして…花音のこと。



全てを言ってしまったら、美波さんは幻滅するかな…?
彼女がいるのに、誰に心が向かってるか解んないなんて…。



だから、怖くてずっと誰にも話せなかったんだ。
きっと話そうと思えば、誰にでも話せた。



だけど…
どうしても怖くて…



“最悪だ”ってそう思われるのが、怖かった。
もう、誰も俺を相手にしてくれないんじゃないかって…



でも、日に日に増していく罪悪感。
蓮の横で笑えば笑うだけ、どんどん恐怖心が増していく。



蓮を傷つけたくない。
なのに、結局俺が蓮を傷つけてる…



俺のこの曖昧な心がきっと蓮を苦しめてる。



誰も悪くない。
俺だけが…全て悪いんだ。



なのに、俺だけじゃなく蓮も傷付いていってしまう。
そんな毎日が辛い。




とてつもなく……辛いんだ。




俺の心が蓮に向かってるのか解らない。
でも、俺はキミを苦しめたくない。



俺は本当に残酷な人間なんだ─……。



< 204 / 323 >

この作品をシェア

pagetop