キミ色
「…ハァッ…ハァッ……」



振れてる…振れてる…
…良かった……



肩で呼吸をする俺の手から少しだけ震えがおさまった。



本当に、良かった…
後は、電話するだけだ。



そう想い携帯を見ると、一向に画面が光っていない。



…は?
何で、ついてねぇの?



携帯を振ったりしてみたものの、結局画面は真っ暗だった。
仕方なく空羽の携帯を掴み開く。



救急車って…119だっけ…?
あーもう、解んない…



曖昧なまま適当にボタンを押し、通話ボタンを押そうとした。



…その時だった。



《ガタンッ…》



俺の掌から零れ落ちた携帯。
誰かの手が急に俺の腕を掴んだ…



え…



呆然とする俺。
でも、今俺の腕を掴めるのはキミしかいない。



「…空羽!?」



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