キミ色
まさか、誕生日だったなんて…全く知らなかった。
だから…、あんな手紙を俺に渡したんだ。



あの蒼いコップに注いだ温かいレモンティーを一口含む。



…その時、急に声が聞こえてきた。



「……櫂…?」



その声にケーキから視線を変えると、起き上がった空羽が目に入った。



「…空羽!?」



思わず立ち上がり、ソファの前まで移動する。



「空羽…」



「あたし……、痛っ」



言葉を発すると、急に空羽は頭を押さえた。



「おい、大丈夫か?無理すんな。」



「あ…うん。大丈夫。…なんで櫂ここに?」



不思議そうな顔を浮かべ空羽は俺を見つめる。



「何言ってんだよ、お前が携帯かけてきたんだろ。」



「あ……え…、じゃあ…わざわざ……空羽のために…?」



「戻ってきたんだよ。」




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