キミ色
「……え?」



…え?
って何?



考えてる間に、空羽は俺の手から放れケーキの前に移動していた。



ったく…、あいつは…
何でいっつもあんなに落ち着きがないんだよ…



「お前、聴いてんの?」



「ねぇ、空羽誕生日だったんだよ…」



そう言って空羽は生クリームを指につけて口に運んだ。




「最悪の誕生日」




……空羽…



「…ねぇ、櫂。もう1回誕生日しよう?」



………?
もう1回誕生日って何…?



「ケーキ買って、蝋燭たてて、後はご馳走いっぱい作って…、誕生日は楽しくないと嫌だもん。」




そう言った空羽の目はキラキラと輝いていた。
いつもの無邪気な空羽だった…。




やっぱり、空羽はそっちの方が似合う…。



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