キミ色
キミは……
お前は一体誰なんだ……─?



でも─…お前は、俺の予想を遥かに上回ったんだ。




人と喋るのに丁度良いぐらいの距離で足を止めた。
そして、俺は手に持っていた水色の封筒を顔の前に持ち上げた。



「これ、渡されたから来たんだけど…」



さぁ、どう来る…?


俺を見て、キミは何を言うだろう?
いきなり告白されたり…とか?


なんて色々頭の中で考えるものの、当の本人は何も言葉を発さない…


「─―………。」



何を考えてるのか、全く解らない。
せっかくここまで来たのに、何も喋らないなんて反則だろ…



一体、時計の針が何周しただろう?
一向に何も話そうとしない彼女。
この質問を投げかけてからずっと沈黙が続いている。



そんなに緊張してるのか?
くだらない…。



何て言おうかと考えている…?
もしくは、言いたい事が言えずに困ってる…?



たとえ万が一そうだとしても、呼び出しといて名前すら言わないなんて…
流石にこっちだって好い気がしない。




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