キミ色
「あたしは…あなたの事知ってるんだ…。」



強い瞳でそう言う君は、俺の目を決して逸らさなかった。
それどころか、俺が咄嗟に目を逸らしてしまった…



は…?
謎だ。謎だらけだ…。



意味が解らない。
俺を知っている…?
何故?どうして?どうやって?



俺は有名人でもないし、ましてや何かの賞を貰ったりして新聞に載ったりしたことなんてあり得ない。



「あたし言われたの…。この子の所に行きなさいって。」



戸惑う俺にそう言って、君が取り出したのは1枚の長方形の紙。
それは、紛れもなく俺の顔が映っている写真だった。



こんな写真どこで…?
何でこんなもんこの子が…



「槻丘 櫂君だよね…?」


「あ…あぁ。」



嘘だろ?
誰か、嘘だと言ってくれよ?
あり得ないだろ…?



「あたし、永城 空羽(クウ)」




………永城─?
…永城……って…、もしかして……




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