空と砂と恋の時計
「えっと、百合さん。好きです。俺と付き合って下さい」
「……」
「……ちょっと、人に無理矢理言わせておいて黙らないで下さいよ」
「あ、ごめん」
いや、うん。本当ごめん。
確かに言わせたのは私だけど、実際に言われるとこんなにも嬉しくて恥ずかしくて甘酸っぱいものなのかと驚いていたんだ。
もうちょっと余韻に浸りたいんだけど、あまり待たせるのも駄目だろう。私はにっこりと微笑んで手を差し出した。
「私も貴志の事が好きです。私で良ければよろしくお願いします」
貴志が私の手を握り返す。これで私達は晴れて恋人同士。
さぁ、今日はもう帰ろう。取り敢えず先ず考えなきゃいけない事は親友三人への言い訳。
「って、ちょっと、ちょっとぉ」
握った手を引き寄せ、腰に手を回してくる貴志。
顔と顔の距離が十センチほどしかない至近距離。
貴志にバレそうな位、私の心臓は高鳴っていた。
「よくも、いじめてくれましたね百合さん」
「あぅ……皆、見てる。恥ずかしいよ」
「ええ、お仕置きですから。もっと恥ずかしがって下さい」
「貴志。私は貴志の彼女だよ。彼女は大切にするもんなんだぞ」
「そうですね。百合さんは俺の彼女です。だから、こんな事しても許されます」
「ん……」
そっと、唇を重ねてきた。
体中に電気が走るような心地良さ。
一瞬にして周囲の視線など気にならなくなるほど、そのキスは私に恋の魔法をかけた。
しかし、ただ一つ残念な事は噂に聞くほどレモンの味がしなかったと言う事。