純恋〜スミレ〜【完】
「超可愛い~!!お姉ちゃん最高!!あたしじゃないみたい!!」


全身鏡に映る自分の姿にウットリとする叶恋。


『ちょっと大人っぽくて、だけど、可愛い感じ!!』


っていう叶恋の要望を取り入れたコーディネートに化粧、それに髪型。


自分でも予想以上にうまくいった。



「叶恋は薄化粧の方が似合うんだって。元々あたしと違って目も大きいし」


「え~、お姉ちゃんの方が大きいじゃん」


「アンタ、あたしのスッピン知ってるでしょ?ひどいもんだから」


「まぁ、確かにお姉ちゃんは化粧すると化けるよね~……」


「そこは否定すべきでしょ。アンタ、社交辞令って言葉知ってる!?」


「しゃこう……じ、れい?何それ」


「聞いたあたしがバカだった。ていうか、そろそろ行かないと遅れるんじゃない?」


「あっ、ホントだ!ヤバい!!」


慌てて立ち上がった叶恋に、あたしはお気に入りのバッグを差し出した。
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