純恋〜スミレ〜【完】

「夏休み、プール行っただろ?あの時も数日前に、ウォータースライダーで純恋の水着が取れる夢を見たんだ。だから、何度も念を押した」


そうだったんだ……。


あの時、優輝が何度も念を押した理由。


そう考えれば説明が付く。



「ねぇ、優輝。クリスマスに……あの交差点で何が起こったの?」


優輝目がけて迫りくる車。


あたしは意識を失ってしまったけど、あの時何が起こったの?



「俺もよく分からないんだ。ただ、死を覚悟した瞬間、何かに体が弾き飛ばされた」


「弾き飛ばされた?」


「あぁ。目に見えない力が働いたみたいに。その後すぐ、目の前を物凄い勢いで車が走り去っていった」


「そっか……」


きっと、その見えない力は空の上にいるお兄さんによってもたらされたんだろう。


確信はないけど、そんな気がする。

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