明日の希望
「お疲れさま」

「お前もお疲れ」

部活終わりにはいつもこの会話をしている気がした。
お互いに頑張ってるから
その事をお互いに理解し合ってるから
彼氏彼女じゃない
幼なじみだからなのかも知れない

「帰ろっか」

「ああ」

自然といつも一緒に帰る
そしていつもバスケの話ばかりする

「今日新垣先輩に褒められてたでしょ!?」

「見てたのかよ」

「もちろん、遥也すごく嬉しそうだったね」

「そりゃな、先輩に憧れてるし」

「分かるかも、先輩カッコいいもんね」

俺はこの時気付いていたら良かった
そのカッコいいが憧れじゃなく
一人の男としてのカッコいいって事を…

「もうすぐ試合近いし選抜に入るように頑張ろうね」

「おう」

茜色の空
いつもと変わらない帰り道
隣には愛おしい人がいる
こんな生活が当たり前だと思っていた
自分が今となっては情けなかった。
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