明日の希望

避ける自分

―距離を置こう―
俺が出した決断。
そうでもしないと気持ちが揺らぐ
いつも一緒に登校してた俺達は別々に学校行く事になった。

「これからは別々に学校行こう」

「えっ?なんで?」

愛梨は驚いていた。
小中一緒に登校してきた俺達がいきなり別々に登校するなんて本当は嫌だった。
だけど、こうでもしない限り俺は忘れられない。

「…彼氏出来たんだし新垣先輩と行けば良いだろ」

「……分かった」

愛梨とはクラスが違う。
だから会う事は少ない…
早く楽になりたかった。
この気持ちを早く忘れたかった


自転車を漕ぎながら思った。
―今頃愛梨達は…。
いつになったら忘れられる?
少しでも気を抜くと辛くなる。
俺は必死に自転車をこいだ。
一生叶わない恋なんてしたくなかった。
忘れたい。忘れたい。
本当に忘れたかった。


学校の校門が見えて来た。
俺は自転車から下り自転車置き場に自転車をとめた。

「おーい!遥也」

声が聞こえた方を見ると俺の方に自転車を飛ばして来る俊。
俺の目の前でギリギリブレーキをかけた。

「危ねぇ、俺を殺す気か?」

「自転車で死なねーよ。多分…」

朝からテンションが高い俊は高校からの友達で1、2年と同じクラスだ。
そして俺の気持ちを知っている
俊は自転車から下り、自転車を止めた。

「昨日徹夜してたからねみぃ…」

「また夜遊び?」

「そっ、次は遥也も来るだろ?遥也が来ないと女達がブーブー言っちゃっててさ」

俊も俺と同じ女遊びをしている
理由は…楽しいからだとか。
まぁ俺も仲間がいた方が嬉しいと言うのが正直な気持ち。

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