いざ、幕末へ
だがそんな俺の葛藤を知るはずのない真琴が、呑気に俺の名前をまた呼びやがった。
そして布団を蹴ったと思えば寝返りをうち、そのまま蹴った布団を抱きしめた。
まぁ、男の前でしてはいけないようなすごい格好になった訳で。
「…チッ」
つい舌打ちをした。
こいつ…。
なんて寝相しやがんだ…!
布団を蹴ったことで真琴を隠す物はなにもなくなってしまったのだ。
そして寝相の悪い真琴の着物はかなり乱れていた。
真琴は無防備に真っ白な肩をさらけ出し、太もももチラチラと艶めかしく主張して土方を誘惑する(かのように見える)。
俺は意味もなく心臓が早くなり、ドキドキとする。
…って俺はガキかよ!
と心の中で自分を叱った。
その気持ちを隠すようにいつもよりもはやく布団に入って無理矢理眠りについた。
おまけ.
逃げるように眠った土方だったが、夢の中の真琴にも散々困らされたのであったとさ。
夢の話は皆様のご想像におまかせしましょうか。
そのほうが…安全。
「土方さんのすけべー♪」(沖田)
「土方さんの変態ー♪」(新八)
そんなことを知っているはずはないのだが、知っているかのような自称真琴兄貴達にいろいーろ精神的な傷を負わされ、散々な1日を迎えた土方であった。
まぁ、どんまい。
「お前ら、仕事しろぉぉぉ!」