疲れ切った心
「それじゃあ竹下はどうなんだよ」
「山本君が居るよ」
結夢には山本君が付いてる。
「小学校の頃からずっと迷惑をかけ続けてるの」
「だから、どうして勝手に決めるんだよ。迷惑かどうかは本人が決めることだろ!?」
本人が・・・・・?
「なぁ。お前、俺の幸せのこと考えてたよな」
当たり前だよ。
好きな人が幸せになることは普通なんでしょ?
「だったら俺の所に戻ってこいよ」
悠斗の手が優しく頬に触れた。
「珠理が隣で笑っててくれるだけで俺幸せだから」
さっき涙を流したとばかりなのに、また涙が静かに流れ落ちた。
「俺の幸せを願ってくれてるなら戻ってきてくれよ」
“うん”
そう言えたらどんなに楽なんだろう。
「頼むから。俺、お前が居ないとダメなんだわ」
私だって悠斗に居てほしい。
それでもダメなんだよ。
「頼むって」
悠斗の目から一滴の涙が零れ落ちた。
「それって、私のせい・・・・?」
「そうだよ」
悲しい瞳から反らせない。