疲れ切った心



「ただいま」



悠斗に家の近くまで送ってもらい、リビングに入った。



今日で2学期も終わり、明日はクリスマスイブ。



悠斗と一緒に迎える2回目のクリスマス。



去年はイブの日にデートをした。



今日はお父さんも休みみたいで、リビングで新聞を読んでいた。



「おかえりなさい。ちょっとそこに座ってくれる」



不思議に思いながらも、お母さんに言われた通りお父さんの隣のソファーに座った。



お母さんはお父さんの隣に座らず、私の向い側に座った。



「婚約の話、自分で解決したじゃない?そろそろ話してもいいかな、って思ったの」



緊張感から何かを悟ったのか、お父さんは新聞を閉じた。



「珠理、あなたはお父さんの子供ではないの」



えっ・・・・・・?



突然何言ってるの?



「珠理は何型か検査をしていないって言ってあったでしょ?本当は検査を受けているの」



うそ・・・・・・



「あなたはAB型よ」



家の両親はA型。



A型同士からはAB型は生まれない。



「証拠がないじゃない」



私がそういうと、お母さんはエプロンのポケットから母子手帳を出した。
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