疲れ切った心



「たまたまコンビニに行こうと公園の近くを通ったら、珠理がブランコに座ったまま雨に打たれてるのを見つけて、近寄ると、泣いてたんだ。静かに涙を流してた」



なんで



なんで珠理はいつも人前で泣こうとしないの?



誰かに抱きついて泣こうとせず、独りで泣くの?



「その時、死ぬって言われて、焦ったよ」



______!



「俺も何とか説得させてアパートに連れ帰ったんだ。でも、翌日目を覚ますと隣にいたはずの珠理の姿が見当たらなくて今度は焦った所じゃなかった」




その時のことを思い出したのか、自分の拳を力強く握った。拳の力の強さが、悠斗君の恐怖だったように見えた。



「在り来りだとも思ったが、海に探しに行ったんだ」



自殺する所はどこにでもある、そう付け加えた。



「ビンゴだったよ。それでも、珠理はすでに海の中に入っていた」



そんな・・・・



信じられなくて、両手で口を覆った。



「自分には生きる意味がないって泣いてた」



そこまで自分を追いつめてたの?



ゆっくりと2人を見下ろすと、珠理は笑っていた。



海と2人で楽しそうに。



「珠理は、もう自殺しようとしない?」



手擦りを力任せに握った。



そうしなければ、この行き場の無い感情をどこにやればいいのか分からず気が狂いそうだった。



「しばらくはしないよ。ただ、次珠理を苦しめるようなことがあれば、見張ってないといけないかも」



「・・・・・・・」
< 472 / 572 >

この作品をシェア

pagetop