疲れ切った心




「もうそんな考えはさせないつもりだ」



私だって、私だって珠理に死んでほしくない。



「竹下からもさ、悩みとか聞いてやって。アイツ、竹下の前から消えるって言ってたからさ」



『結夢』



その時、笑顔で私を呼ぶ珠理の姿が目に浮かんだ。




普通人間はゆっくり時間をかけて成長していくもの。




そんな私達とは対照的に、大人になるのが早かった珠理。



身体の成長は私達と違わないのに、心が大人になるのが早かった。



性格も、仕草も大人びていた。




珠理はいつも私達の先を歩いていた。




無理し過ぎたのかもしれない。




まだ三輪車しか乗れない子供に、車を運転しろと言ってるようなものだ。




無理して、頑張って、車に乗れるようになった。




今の珠理はそんな感じ。




そんな無理が今回の事件で必死に繋げてきた糸が切れてしまったのかもしれない。



だから今、悠斗君に子供のように無邪気に甘えてるのだろう。



「珠理が無理をして先を進んでいたのに、それを分かっていたのに、珠理を休ませてあげなかったからだ・・・・・・」




息抜きをさせてあげなかったから、だから珠理はあんなに自分を責めてしまったんだ・・・・・




「私のせいだ・・・・」


私がちゃんと止めてれば・・・・

私が珠理を追いつめてしまったんだ・・・




「竹下のせいなんかじゃないよ」




泣きそうな私の頭を優しくポンポンと撫でてくれた。




「竹下のお陰で珠理とこうして現在(いま)過ごせてる。サンキューな」




悠斗君のこの台詞で物凄く救われた。
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