疲れ切った心
珠理side



「本当に退学するのかね?」



「はい。家の都合で通えなくなってしまったので」



理事長室に退学届を出しに来た。



「お金の問題か?お金だったら私が出そう」



「大丈夫です、理事長。お金の問題で退学するんじゃありません」



「だったらどうして退学するのかね。寂しくなるじゃないか。それに、結夢が一番悲しむ」



「すみません。大事なお孫さんを悲しめることをしてしまって」



スッと頭を下げた。



「珠理ちゃんの決心は固いようだね。君も孫の様に可愛がってきたつもりだから性格は十分承知のつもりだ」


「ありがとうございます。私にとって理事長は本当の祖父の様でした」



いつも結夢と同じように可愛がってくれた。



「今日は授業を受けて行くのかね?」


「はい。最後に受けさせて頂きます」


「分かった。今までお世話になったね。お疲れ様。何かあったらいつでも言ってきなさい。生徒じゃなくても君は私の可愛い孫だよ」


「ありがとうございます。失礼します」



理事長に一礼してから廊下に出た。







「きりーつ、れーい」



6限目が終わると、教室を出て放送してへ向かった。



SHRの時間をちょっと分けてほしいと校長先生に頼んだ。



事情を知らないおじさんは、快く分けてくれた。
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