失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】
「恥ずかしい話だが…」
彼の父親があとを継いだ
「詳しくは言えないが押収したファ
イルの内容がすり替えられた可能性
が出てきた…」
彼の父親は苦々しい顔で
深いため息をついた
「その頃は保管中のファイルのバッ
クアップはまだ半分も完成していな
かった…すり替えられたのがわかる
までしばらくかかったのは…担当の
油断なのか…それとも監察すら絡ん
でいるということなのか…その時に
はまだわからなかったのだが…読み
が甘かったとしか言いようがない」
そして彼の父親は僕を見た
「だが…ファイルはもう1つ存在し
ている」
ドキッとした
それが…まさか
「それを君のお兄さんが持っていた
んだ」
それが遺品…だった
彼にも
兄にも