ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
主語のないそのひとことで八木原くんは納得したらしく、「そっか」とつぶやくと私の頭をポンポンと撫でた。


「前の彼氏のこと忘れられないんだね」

「……え?」


前の、彼氏?

光浦さん……?


「違う? だから俺とのキスに違和感感じるんでしょ」

「……」


違和感は確かに感じてた。

このキスは違うって思った。


だから八木原くんとは恋にはならないって直感したんだけど……。


誰と、比べてた?


「前の人とは付き合い長かったんでしょ? メイちゃん一途っぽいし」

「……」


八木原くんは私から離れるとジャングルジムの上からヒョイッと飛び降りた。

私はひとり取り残されたジムの上で、八木原くんの言った言葉の意味を一生懸命考えていた。
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