ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
下から私を見上げる八木原くんと目が合う。

私は相当困惑した表情をしていたのか、「困らせちゃってごめんね」と謝られた。


「でも俺、自信あるよ」

「自信?」

「前の恋を忘れさせる自信ー」


八木原くんは照れ隠しなのかわざとふざけた口調で言ってるっぽかった。


「俺と付き合ったらめっちゃ楽しいと思うよ?」

「私と付き合ってもガッカリしちゃうと思うよー」


だから私も同じように口調をまねっこしながらジャングルジムを下りた。

言ってることは100パーセント本音だけど。


「メイちゃんにガッカリするなんてありえないって。キスしてもっと好きになっちゃったしー」

「私は八木原くんが思ってるような女じゃないよ。優しくもないし一途でもないし」

「おっ、メイちゃん問題発言!?」

「……内面ではすっごく暗いことばっかり考えてるし」

「あ、それ俺もー。分かる分かる」
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