ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
少なく見積もったこともバレている。

そりゃ手伝ってもらったら半分の時間で終わるだろうけど、でも水嶋とは部署も違うし、大体なんで。


……まさか泣かせた罪滅ぼしとか?


「ねえ、本当にいいってば」

「終わったら飯奢れよ」

「……え」


……わけ、わかんない。

本当に。


ここまで振り回される男の人って初めてで。

それが高校の同級生だった水嶋だっていうのがものすごく変な感じで。


テキパキと作業をこなす水嶋の横顔をぼーっと見ていた。


遊ばれるのなんて絶対嫌だって思ってるのに、泣かした張本人のクセにハンカチなんか貸してくれちゃって、残業なんか手伝ってもらっちゃって。


私、何やってるんだろう?


「……オイ、手伝ってやってんのに倉庫に泊まる気か」


全く手が動いていない私に水嶋が呆れた視線を向けてきて、慌てて自分の棚に向かった。
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