ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「え! マジ!? ヒナちゃんっていくつ!?」

「女性に年聞くなんて失礼だろ」

「いやいや、そんな年じゃないでしょ。ってかなんで水嶋さんは知ってるんすか!?」


立ち去ろうとした私を余所に話がドンドン進んでいくから、どうにも立ち去ることができなくなった。

しかも話は私にとって嫌な方向にしか進んでいかないから最悪だ。


どう答えるのかとドギマギと水嶋を見つめていると、そんな私に気づいて水嶋はふっと口角を上げて意地悪な笑みを作った。


「この間、一緒に帰ったから?」

「は!? マジで!?」


クラッと軽くめまいがした。


八木原くん、敬語忘れてるよ、と思ったけれどとても口に出せる状況じゃない。


水嶋は一体、何を考えてるんだろう……!

そりゃ初めましてとか言っちゃった手前、高校の同級生だったことをバラされても困るけど!


だけど、わざわざ一緒に帰ったとか言わなくてよくない!?

これじゃ私達の間に何かあったみたいじゃん!

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