恋愛ごっこ
「はぁ!?

俺が知想のこと好きなわけないじゃん」

松本君は即答する

彼が即答したのは決して照れ隠しなんかではないことを

私は知っている

だって彼には…

「裕貴がめぐに告るのは勝手やけど

そんなん愛しのリナ様が知ったら

…きっと泣き出すやろうな?」

叶恵がいたずらっぽく言う

そう裕貴には学校1お金持ちの彼女がいる

 名は川原リナ

お父さんが大企業の社長で

お母さんが有名な弁護士

家は豪邸でメイドと執事がいるっていううわさ


「だから今のは冗談だって」

松本君は笑いながら言い私の正面に回り込み

「知想も本気になんかしてないよな?」

笑顔で問いかけられた私は…

嘘の笑顔をつくり

「…当たり前じゃん」

そう答えるのが私の精一杯だった

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