一期一会
 

 いろんな髪色があるが、耳の毛色にも何種類かに大別することができる。黒鹿毛、青毛、鹿毛、栗毛……めったに見ないが、金、銀、赤、白などがある。

 黒鹿毛と青毛は一見すると同じ黒に見えるが、光が当たると青毛は紫を濃くしたような色になる。鹿毛は褐色、栗毛は光に当たると金色に輝く。

 金は文字通り黄金に輝き、暗闇でもその色を発する。銀は夕日に当たると、薄い紫がかった色に輝く。赤は燃えるように真っ赤であり、白は挙式で女性が着る、ドレスのような純白である。

 髪と耳の色は一緒になっており、髪が青であれば、耳も青といった具合になる。黒、青、鹿、栗は優性遺伝、金、銀、赤、白は劣性遺伝となっている。

 読者諸君にはこれから描かれるものに不快な思いをするかもしれないが、この悪しき風習をここに記すことを許していただきたい。

 悪いものを白日の下に晒し、これは悪だ! と、明言してこそ悪を追いこむことができる。善は悪と常に戦い、勝利して初めて善なのである。

 シェイン族が奴隷として扱われた時代。性別、体格、年齢を含め、髪と耳の毛色で値段がつけられていた。

 
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