一期一会
 

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 親愛なるアルフレッドへ

 もう貴方と離れてから幾日が経ったのでしょう。私は貴方のことをいつ何時も欠かさずに想っております。

 貴方のつぶらな茶色い瞳。
すっと通った鼻。太陽の光が当たると金色に輝く栗色の耳。笑うと少しだけ見える可愛らしいやえ歯。

 貴方の笑顔を想像すれば、私の心は太陽に照らされたように明るくなります。貴方の声を想像すれば心に暖かいものを感じます。

 どうか貴方の手で私の耳を優しく撫でてください。貴方の大きな両腕で私を抱きしめてください。そして貴方の声で私の耳に愛を囁いてください。

 貴方に……

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 ここから先はインクが滲んいるために判読できない。

 彼女達は余暇を惜しんでは愛しい者への想いを綴っていた。その内容は主に次のようなものだ。

 戦争でケガをしてないか。食事はとっているのか。睡眠はとれているのか。病気にはなっていないだろうか。そして一番恐れていること……、死んではいないだろうか。

 
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