空を翔ける一筋の流れ星
見上げ続けていると、一筋の流れ星が流れた。

こっちに来て初めて見た流れ星は、わずかだか俺に感動の感情を与えてくれた。



そういえば、さっきも流れていたような気がする。

今日は何かの流星群でも来ているのだろうか。


「あの・・・」


その声に背筋が凍ってしまった。



別に驚いたり、怖くなったりしたわけではない。

きっと、こうなることは予想していたが、まさか本当にこうなってしまうとは・・・


「お前、何俺に取り憑いてるんだよ」


振り返ると、予想通りさっきの女の子の幽霊がひどく申し訳なさそうにいた。

今まで何度も幽霊を見てきたが、こんなに申し訳なさそうな態度をする幽霊は初めてだ。


「取り憑いてなんかいません。

ただ、付いてきただけです」


「だから、憑いてるんだろ」


「違います。

漢字が違います」


「そういう文字じゃないと分からないネタは止めろよ」


「いや、ネタじゃあ・・・」


徐々に声が小さくなり、最後まで上手く聞き取れなかった。



突き放そうと早足で歩くが、やはり一緒になって後に付いてくる。

力強く後ろを振り返ると、女の子は肩を上げ両目を閉じて怖がった。

本来ならこちらが怖がる立場だというのに何か調子が狂う。
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