空を翔ける一筋の流れ星
心霊スポットに行ってから、一週間が過ぎた。



霊感が強いと言い張っていた奴の一言により、あの場所には何もいなかったということになった。

結局、俺一人がなかなか戻って来なかった、ただそれだけの一夜ということで落ち着いたのだ。

そのため、この一週間の俺たちは、目に見えない何か物足りないものが彷徨っているような日々をいつも通り送っていた。



しかし、それはあくまでも心霊スポットに行ったメンバーを含めた周りに合わせたもの。

実際に今まで通りになっているかと言われれば、俺には明らかに変わったことがある。

それは、空との距離に微妙な隙間のようなものができてしまったことだ。



あの日から空はどこか俺に対してぎこちなく接してきて、それに対する俺の対応もやはりぎこちなさがあった。

原因ははっきりと分かっている。

分かっているからこそ、今まで通りにできない。

いや、今まで通りがどうだったか考えれば考えるほど、それは形を失っていこうとしていた。
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