脇役≠ヒロイン
在り来たり、と言うのはこういう事を言うのだろう。
「お前が神沢の女か?」
只今、如何にも「僕たち不良ですよー」って感じの方々が私達を取り囲み中。
「何の用ですか」
千里を庇うように一歩前に出ると、真っ赤な髪のリーダー格の男がニヤっと笑った。
「分かるだろ?」
赤髪の男がそう言うと、その後ろに控えていた男達がガシッと両腕を掴む、、、私の。
「ちょっ?!」
「あ、梓っ」
千里が慌てたように私の名前を呼ぶ。
「あ?梓?お前、山中千里じゃねーのか?」
眉間にシワを寄せた赤髪の男が、私を睨む。
「や、山中千里は私です!」
滅多に出さないような大きな声で、千里が前に出てくる。