゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。

殴りかからんばかり

にポロシャツのえり

ぐりをつかむ。

彼はタバコをくわえ

なおして眉の上をか

く。

「結局さ、お前入部

許してたろ」

怒りで白くした顔に

赤みがさす。

「そうしないわけに

いかないだろ……」

「なんで? 嫌なら

断りゃあいいじゃん」
きみひろは、むくん

だようなふくれっ面

になって、そっぽを

むく。

「直角はお前のこと

バカにしたりしなか

ったじゃんか。言い

ふらしたりもしない

だろ」

火を消すように

ため息をついて、

常居は胸ぐらの手を

どけた。

「だいたいお前が気

にしすぎなんじゃな

いか? 最近は菓子

作りに手芸が好きな

男なんて、珍しくな

いと思うぞ。むしろ

モテるんじゃない

?」


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