゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。

 その翌日。

ほんのりと肌寒い早

朝。なお達の住む町

から快速で3駅の、

ふるみ森林公園は、

景色をかすませる朝

霧に包まれていた。

ベルベッドのような

踏み心地の土に足跡

を押しながら、なお

ときみひろは縦にな

らんで歩いている。

 密度の濃い空気を

吸いこんで、軽く頭

をふる。水を含んだ

ように、毛先が重た

い。

カサカサと音をたて

る木々に、枝先から

跳ねあがる小鳥。灰

色に近い乳白色の、

森。もやっとした陽

射しが、しっとりし

た空気に、幻めいて

ゆらゆらと浮かんで

いる。

「空気がおいしい」

前を行くきみひろが

森の果汁をすいこん

で、のーんびり言っ

た。


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