゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。

目にたまった涙をふ

き、しまりがなくな

っている顔を、パチ

ンと叩くと、みんな

が真似をした。

「ただの脅しだった

んだな。ゆみもいな

くなかった?」

「あたしも見てな

 ーい」

「あたしも」

「俺も見てない」

4人は、同時にため

息をく。チラッとこ

っちを見て、よしお

が気まずそうに口を

開いた。

「なおちゃんさ、薄

井さんのこと、どう

にかしたほうがいい

よ。今回は良かった

けどさ……」

なおは表情を消し、

ゆっくり呼吸した。

腹の底まで愉快な夜

を吸いこみ、透明な

微笑を浮かべる。痛

ましげな視線が、注

がれる。

「絶交する」

ぬるい、湿った風が

吹く。


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