つむじ風。

たまらなくなって言ったんだ。

「兄貴、もうやめろよ。
大学も、こんな生活も。
兄貴までぶっ倒れるじゃねぇか」

でも、兄貴は痩せてしまった笑顔を向けるんだ。

「亮二、おまえは大学に行きたくなかったら行かなくていい。
好きなように生きろ。
でも俺だけでも言うとおりにしなきゃな。
そしたら、母さんも納得するよ、きっと。
大丈夫だよ、体力には自信あるから」

「おふくろに言おうぜ。
無理だよこんなの。
兄貴がこんな目に遭ってるって知ったら
おふくろも考え直す、絶対に」

「だめだ。母さん、やっと容態が落ち着いてきたんだ。
余計なこと言うなよ。
それに亮二。
俺が限界になった時は
ちゃんとおまえに言うから、な?」

嘘つくんじゃねぇよ。

兄貴、あんたはそんなこと言わない。
何があってもな。


俺は絶対に大学なんて行かないと決めた。
おふくろにぶたれようが、
泣きつかれようが、

絶対に進学しない。

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